ゆーすけべー日記

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「ナイフ」重松清

人から俺が読んだことがないと言ったら重松清を勧められ、しかも新潮文庫夏の100冊として店頭に並んでいたので、読んでみた。

ナイフ ナイフ
  • 重松 清
  • 新潮社 文庫 (2000/06)
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この文庫には表題作「ナイフ」を含めて5作品が含められている。どれも中学生、小学生、もしくはその親が主人公で「いじめ」がテーマとなっている。ぱっと読んだ印象だと、主人公が中学生だったりするので、そのくらいの年代の人が読む小説なのかなと思ったけども、読み進めていくと大人でも十分読める内容であることに気づく。重松清氏の作品は初めて読むのだけれど、なにより物語が進んでいく中での主人公の一人称の語り口が絶妙でうまい。「ワニとハブとひょうたん池」での「あたし」、「ナイフ」での「私」、「キャッチボール日和」での「わたし」、「エビスくん」での「ぼく」、「ビタースィート・ホーム」での「私」。そしてさらに夢中にさせる要因としては、「いじめにあっている人」を象徴するもう一人の出演者がいる点である。例えば「キャッチボール日和」でははちゃめちゃないじめにあう「大輔くん」ともう一人の大輔「荒木大輔サマ」が登場する。その交差する感覚が非常に心地よい。とはいえ、「いじめ」がテーマで展開される内容はかなり痛烈なもので、ドSとドMの物語とも言えるので、受け入れられない人は無理かもしれん。しっかし、現代の家族を描くことをテーマとしている氏が著したわけで、このような「いじめ」が日々子供達の間で起こっていると考えるとぞっとするわけだが、現代に限らず「いじめ」というのはどの時代にもあるわけで、そして自分自身にもそのような経験はいくらでもあったわけで、それを思い出させ考えさせられるお話だった。

最後に5作を評価してみると、「キャッチボール日和」と「エビスくん」で俺はちょい泣きしました。